エリアマーケティング 

地域性に対応のマーケティングを考える
-phot 三井アウトレット入間-
 
 米国の金融危機に端を発した景気後退のもと,消費者の生活防衛意識は一段と強まっています。

 そんななか,話題の商業施設が全国で数多く開業。「イオンレイクタウン」や「阪急西宮ガーデンズ」といった“最大級”の規模を持つ巨大モール,小商圏を対象とした小規模な都心型ショッピングセンター,さらにはアウトレットモールの新規開業や増床が相次ぎ,いずれもオープン時は大勢の客でにぎいました。

 今年,業績好調のショッピングセンターや専門店の特徴は,「信頼の品質と低価格」につきます。人気ブランドや海外の一流ブランドが激安価格で手に入るアウトレットモールは年々市場を拡大。スウェーデンの家具チェーン店「イケア」も東日本で3店目を出店するとともに,関西にも進出し,成功をおさめています。
                   (続く)   




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著者:小林 隆一
販売元:日本経済新聞出版社
発売日:2008-02
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 「駅ナカビジネス」の起こりは10年近く前に、阪急電鉄がホームで直営コンビニエンスストアを出店たことに始まるといわれている。

◇大宮のストアコンセプト「マーケット・アベニュー」
 鉄道の要衝、JR大宮駅。5000平方メートル46店舗 1日当たりの駅利用客は、乗降客が46万人、乗換客が15万人と、合計61万人に達します。駅の最大の特徴は,出張族の利用のおおいことです。埼玉県内最大の商業地である地元・大宮の乗降駅として、「さいたま新都心」や池袋、新宿、渋谷などへの乗換駅として、出張族に盛んに使われています。

 JR東日本はその駅構内に,店舗面積2300平方メートル・店舗数56店舗に対して68店舗が出店する商業空間「ecute(エキュート)大宮」を開発しました。「改札口の内側にある商業施設、いわゆる『駅ナカ』としては、日本で最大級の規模です」(JR東日本)。多くの買い物客でにぎわっています。


埼玉県さいたま市大宮区錦町630番地 JR大宮駅構内
開発面積  約5,000平方メートル(既存改良面積を含む)


◇品川駅は「プレミアム・プライベート」
 大宮のストアコンセプトが「マーケット・アベニュー」であるのに対して、品川は「プレミアム・プライベート」。高級感を感じさせる店舗設計とショップのラインナップは一見の価値がある。


東京都港区高輪3-26-27 JR品川駅構内
開発面積:約5,300平方メートル(既存改良面積を含む)
主な施設: デリ・スウィーツ・雑貨・飲食店・サービス等の店舗


○「ディラ西船橋」
 千葉県船橋市にある西船橋駅構内。年間乗降客数49,240,053人(平成15年度)、JR総武線各駅停車・京葉線・武蔵野線、営団東西線、東葉高速鉄道の5路線が乗り入れているターミナル駅である。行き先が異なる5路線が乗り入れているため、駅舎の構造は複雑に入り組んでいる。その西船橋駅にあるのが「ディラ西船橋」。

 駅周辺には大規模の商業施設もなく、駅周辺人口も非常に多いわけではない。その意味からすると、「街中からの集客」は考えていないのだろう。ターゲットは乗り換え客である。
 駅舎の構造が複雑であり、余り広くはない。そこに18の店舗改札外にも3店舗)があることから,やや詰め込みすぎの感もある。

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▼関連HP
 エリアマーケティング講座
    http://kobayashi.clever.mepage.jp/area/area_index.htm




基本 エリアマーケティング―地域対応の「売れるしくみ」づくり



◇関連HP:流通講座
 生産財メーカーの市場細分化の軸としては顧客別、販路別、地域別といった細分化区分が考えられます。支社、営業所単位の場合は、「エリア区分」による市場細分化が有効です。

 生産財メーカーの市場細分化の軸としては顧客別、販路別、地域別といった細分化区分が考えられます。支社、営業所単位の場合は、「エリア区分」による市場細分化が有効です。

■エリア細分化により有望顧客を見いだし、取引の拡大を図る

 限られた顧客をライバルと取り合うという状況では、「既存顧客をいかに維持するか」 が重要です。「1件の既存顧客を失った損失を埋めるには7件の新規顧客が必要」というほどです。
  顧客プロフィールを詳細に把握し、顧客ごとの要望に合った製品やサービスの提供というきめ細かな対応が顧客との信頗関係を深め、固定客化を促します。当然のことながら購買力の低い顧客へのきめ細かな対応は、「労多くして益」は期待できません。そこで、重点エリアを設定し、そこから利益を見込める有望顧客を探り、育てるといったエリア深耕策が営業成果を生みます。
  次の手順で、重点エリア・重点顧客を特定します。
 1 エリア別に現在の総需要、今後の市場の伸び、およびライバルのシェアを推定する。
 2  社内データにもとづく自社シェアを算出し、ライバルとの相対比較を行う。
 3 分析データを使い、ABC分析やPPM分析などで総合評価して、重点エリア,重点顧客を定める。


▼関連HP
 エリアマーケティング講座
   http://kobayashi.clever.mepage.jp/area/area_index.htm    

セミナー エリア担当者のためのマーケティング戦略実践










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 全国展開している消費財メーカーの目標は,地域あるいは小売店の店頭における自社製品のシェアを高めることにあります。メーカーの市場目標を担う卸売業やメーカーの支店,営業所は,自身の業績を上げるため営業地域(商勢圏)における小売店頭の自社シェア(インストア・シェア)の拡大,取引先小売店を増やすこと(小売店カバレッジの拡大)にあります。

  直接の顧客である問屋や小売店への対応策に終始することなく,最終顧客である消費者ニーズへの対応がシェアアップ,ブランドロイヤリティ獲得の方策です。

◆ 最終顧客(消費者)は何を求めているかを追求する

 メーカー→問屋→小売業と,流通経路が長い商品の場合,とかく卸売業,小売業といったルートに目がいき,最終顧客である消費者のことはおろそかにしがちです。
 メーカーは,小売店に商品を納めると,それで取引は完結したと考えがちです。その背後には最終顧客(消費者)がいます。消費者が店頭で自社商品を購入してくれて,マーケティング活動は一段落します。
 「自分の意思で自分の財布を開く人」,最終顧客こそが実質的に市場を動かしています。したがって,直接の顧客である小売業や卸売業の声だけで市場を判断しないこで,最終顧客である消費者の動向にも目を凝らす必要があります。

 最終顧客の声をよく聞き,状況を観察し,その不満,不便,不安,問題,不快といったニーズを解消する手だてを高じることがシェアアップ,ブランドロイヤルティの獲得に直結します。街や店は,時代を映すカガミでもあります。スーパーや百貨店でなにが好評か,繁華街の変化の方向は・・・など,街に出て自分の目でトレンドを読みとる選択眼は,消費動向を知るうえに役立ちます。

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 エリアマーケティング講座
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セミナー エリア担当者のためのマーケティング戦略実践




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○エリアマーケティングとは 消費の多様化・個性化にあっては,一律の売り方では,顧客ニーズへは応えられません。それぞれの土地柄にあった「売れるしくみ」を創りあげて,それを実践していくことが,求められます。
 エリアマーケティングは,日本生まれの発想です。そのねらいは,地域を軸としたマーケティングセグメンテーション(市場細分化)により,その土地に合った「タネ」を蒔き,それを大きく育てていこうとする活動です。

 すなわち,地域の独自性,異質性を見極め,「郷には入れば郷に従え」で,土地柄にあった「売れるしくみ」を創り上げ,営業活動の個別化を実行し,市場シェアの向上を図ります。

○メーカーのマーケティング 
  全国一律のマーケティングでは,十分な対応が難しいことから,地域差に立脚したマーケティングの展開,すなわちエリアマーケティングは,消費財メーカーのみならず,生産財メーカーにとっても重要な課題です。
 なお,小売業のマーケティングが,店の売上高の向上につながる来店客数,客単価の増加を目的としているのに対し,消費財メーカーのマーケティングのねらいは,自社ブランドのシェアを高めることにあります。 
 生産財(ビジネス市場)と消費財とでは,流通経路,顧客層などが異なります。

▼生産財,消費財マーケティングの共通点  生産財メーカーと消費財メーカー両者に共通するのは,顧客の満足する製品を開発・製造し,効率よく販売していくかです。とくに,品質や性能に大きな差がみられない分野では,製品がいかに適品・適時・適量の3条件を満たして,顧客の手に届く物流体制を作りあげていくことが,競争相手との差別化を実現する策でもあります。 


セミナーエリア担当者のためのマーケティング戦略実践




事例-大手紳士服専門店――新立地に活路を求める

 2009年度,大手紳士服専門店(青山商事,AOKIホールディングス,はるやま商事,コナカ)4社の出店計画総数は,前年比27%減の78店と大きく抑制される見通し。急速な景気後退で,各社の業績が悪化していることが背景にある。少子化で国内市場がますます縮小するなか,各社は生き残りを賭けて新立地や新業態などの次の一手を打ち始めている。

 メンズスーツ市場は,洋服のカジュアル化や団塊世代のリタイアなどで縮小傾向が続く。2007年の市場規模は2700億円前後と,97年からほぼ半減。

 生き残った大手各社は,カジュアル衣料や女性向けのビジネススーツなどに進出。カラオケなど多角化路線も模索してきたが,高成長路線に回帰できていない。郊外店も,昨年はガソリン高騰で客足が鈍って軒並み苦戦。直近の決算では業界3位のコナカと,4位のはるやま商事がそれぞれ赤字転落を見込むなど“再々編”の声も漏れ始めた。

 少子高齢化に歯止めがかからず,今後も人口が増える気配はない。つまり,紳士服市場は長期に渡り縮小傾向が続くのである。そこに加えて,夏場のクールビズファッションが需要減退は止まらない。

 業界に残された道はカジュアル分野を含め,いかに新しい業態開発ができるかだが,一部に非衣料分野への進出を図る動きもあるが,非衣料も含め新たな業態開発にいまだ各社とも成功したとは言い難い。となると,残る道はM&Aか出店による売上げアップとなる。

AOKI-九州市場を攻める理由
 AOKIホールディングス( 代表取締役社長 青 木 擴 憲)は,今後5年間で首都圏では5店を約60店に増やす。家賃低下でビルが借りやすくなり,郊外店での購入が減っているため首都圏を強化。九州はフタタ(福岡市)買収に失敗したことから,単独進出となった。

 AOKIは紳士服業界2位で,最大手の青山商事に次ぐ。AOKIは今後5年間で,九州では7店を約50店に,東京の都心9区に55店を集中出店する。5年後の紳士服部門の売上高目標1300億円のうち,都心店の売上高を300億円(現在5店,30億円)に拡大する方針。

 AOKIは業界2位の売り上げとはいえ,青山とは売上高で倍以上の開きがある。市場の縮小傾向からみて,今後,生き残れるのはよくて業界3位まで。となるとAOKIに残された道はM&Aか,出店による売り上げアップしかない。
 
 その点,AOKIは九州へは未進出であり,今後5年間で50店舗,九州に出店する目標を掲げているが,すでに九州地区には青山83店,コナカ・フタタグループ81店,はるやま商事が50店出店している(07年12月時点)。最後発のAOKIが果たしてそこまで出店できるかどうか。

○熊本県での店舗展開の趣旨(同社HPより転載)

 株式会社AOKIが展開している紳士服専門店「AOKI」は,2008 年5月に九州エリア初の店舗となる福岡長住店,春日店を,6月に筑紫野店を開店し,現在3店舗を展開しております。
 この度,九州エリアにおけるドミナント出店を推進するため,九州の中核都市のひとつとして発展を続けている熊本県に2店舗を開店することが決定し,2008 年11月29日に熊本保田窪本店,熊本白山通り店の2店舗をオープンいたします。熊本は,九州エリアにおける成長戦略の上で重要な地域と位置づけており,今後も積極的な出店を目指してまいります。
 また,12 月5日には福岡西新店をオープンし,福岡でのドミナント出店も促進いたします。今後も株式会社AOKIは,全国各地への積極的な新規出店を推し進めるとともに,ファッションのスペシャリティストアとして,新商品の開発やサービスの拡充による更なる顧客満足の向上を目指すことで,地域社会・経済の発展に寄与してまいります。
(1)熊本保田窪本店   熊本県熊本市保田窪2-12-16 売場面積 807 ㎡
(2)熊本白山通り店  熊本県熊本市九品寺6-3-28 売場面積 562 ㎡
(3)福岡西新店  福岡県福岡市中央区今川2-1-60 売場面積 509 ㎡


▼関連HP
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