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地域性に対応のマーケティングを考える
>>>長野県の最南端に位置する天龍村

 長野県の最南端に位置する天龍村は,天竜川の渓谷に集落が点在する美しい村だ。平岡ダム工事のピーク時には8千人を超した人口もいまは約1800人と典型的な過疎の村である。

 村民の52・5%が65歳以上だ。14歳以下の子供は100人余で6・5%。

 本格的な人口減少時代を迎えた日本にとって,天龍村は決して特別な存在ではない。社人研の推計では2055年には65歳以上が40・5%を占める。14歳以下はわずか8・4%。天龍村は50年後の日本社会を映し出した鏡といえる。

 天龍村のように住民の過半数が65歳以上の自治体は「限界自治体」と呼ばれる。2005年は4カ所(0・2%)だったが,2035年には132カ所(7・3%)に達すると予測される。65歳以上が4割を超す自治体は42%に上る見通しだ。遠くない将来,全国に「天龍村」が続出する。


 人口減は都市部とて例外でない。2035年には,2005年と比べ人口が減る自治体は92%に達する。2割以上減る自治体は64%だ。人口の減り具合を年齢別に見ると深刻さが際立つ。社会の支え手の生産年齢人口(15~64歳)は8442万人から4595万人,2263万人と50年ごとに半減していくのである。

 成人人口の減少は,様々な面で支障が生じる。日本経済団体連合会が今年2月にまとめた「少子化対策についての提言」では,「生産性の伸びによって補えるレベルの人口減少規模でなく,労働力人口の減少は,確実に経済成長を抑制する」と指摘している。「2030年ごろには,わが国の潜在GDP成長率を0・5%程度押し下げるとの試算がある。国内消費は減少の一途をたどり,内需に依存する産業や中小企業等へ深刻な打撃を与える」と警告している。

 若者と高齢者の比率は2005年は「3対1」だが,2055年は「1・2対1」となる。現在は若者3人で1人の高齢者を支えているが,ほぼマンツーマンの時代がやってくるということだ。

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50年後に到来するであろう「5人に2人が高齢者」という社会はどんな姿か。長野県天龍村が教えてくれる。

 児童数減に伴い4つの小学校・分校が統合した天龍小は全校38人。徒歩通学できずスクールバスや電車を利用する児童も8人。少年野球チームは人数不足で活動休止となった。運動会も村民運動会と合同と,少子化が生活に及ぼする影響は,枚挙をつきない。

 子供の減少は冠婚葬祭など部落の共同体としての機能維持にも影を落とす。天龍村は国重要無形民俗文化財に指定される「坂部の冬祭り」など伝統的な祭りが盛んである。祭りの1カ月前から肉を食べない厳しい風習も残るが,先行きのは見通は暗い。「村の祭りは外から来た人が簡単にできるものではない。ビデオや書物で記録を残すぐらいしかできなくなる」かもしれない。

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 村の中心のJR飯田線平岡駅前は平日の昼間もほとんど人影がなく,通過する車もまばらだ。若者が減れば商店街は寂れる。1975年ごろ約90軒あった商店は3分の1近くに減った。パチンコ店も数年前に撤退。

 魅力的な働き口がなければ若者の村離れは加速し,産業も衰退する。公共工事も村の財政悪化で縮小の一途。

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