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エリアマーケティング 

地域性に対応のマーケティングを考える
 今年の鹿児島県経済について, 日本銀行鹿児島支店は「前半は厳しい状況が続くものの,後半は景気の持ち直しが予想される」という見通しを示しました。

 日銀鹿児島支店がまとめたリポートによると,景気を下支えしてきた公共事業の発注額が今後減少すると予想されることなどから,県内経済は,今年前半までは厳しい状況が続くものとみられています。

 だが,後半に入ると,国内全体で輸出主導による景気回復の動きが予想されるのに加えて,来年春の九州新幹線の全線開業に向けた設備投資など,鹿児島固有のプラス要因もあり,県内景気は持ち直しに向かうものと予測しています。

 ただし県内では,輸出型の製造業のウエイトが比較的小さいため,世界経済の回復の恩恵を直接受けにくい構造となっていて,先行きの不透明感などから設備投資などが回復しない場合は,持ち直しの動きが進まない可能性もあると指摘しています。

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◆1 個人消費は,耐久消費財は持ち直しているが,全体としては弱い動きが続いている
 11月の大型小売店販売額は,消費者の節約志向が一層強まる中,気温による冬物衣料品の不振もあって,前月よりも前年比マイナス幅が拡大した。年末年始商戦は総じて盛り上がりに欠けたものの, 気温低下による冬物衣料品の持直しや所調 「巣ごもり消費」関連の売れ行き増加から,12月の前年比マイナス幅は11月対比縮小する見通し。

 11月の主要ホテル・旅館宿泊客数,主要観光施設入場者数は,新型インフルエンザ流行の影響などもあって, それぞれ前年を大幅に下回った。

 耐久消費財については,11月の乗用車新車登録台数(含む軽自動車)は,エコカー減税などの影響から4か月連続で前年を上回った。また,家電販売はエコポイント制度の影響から, 薄型テレビなどを中心に持ち直しの動きが続いている。

◆2 公共投資は増加している
 11月の公共工事請負金額は, 予算の着実な執行から, 国, 市町村を中心に6か月連
続で前年を大幅に上回り,09年度累計でも前年比l6.7%増加している。

◆3 住宅投資は極めて低い水準で推移している
 11月の新設住宅着工戸数は,持家が9か月振りに前年を上回ったものの,貸家,分譲 (主にマンション) を中心に12か月連続で前年を下回った。

◆4 生産は増加を続けている
 鉱工業生産指数は,持ち直しの動きが続いている。 季節調整済指数でみると,10月の生産水準はリーマン・ショック前の水準 (08年上半期) 対比で98%まで回復した。

◆5 雇用環境は極めて厳しい状況にある

有効求人倍率(季節調整済)は,5月以降ほぼ横遁いで推移しているが,ll月で0.37倍(全国0.45倍)と極めて低い水準にある。鹿児島県の調査によれば,年末一時金の妥結額は前年比▼7.2%と調査開始以来最大の落込みとなった。






▼関連HP

エリアマーケティング講座
   http://kobayashi.clever.mepage.jp/area/area_index.htm   

⇒ 産能大セミナー エリア担当者のためのマーケティング戦略実践
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 この記事は,鹿児島国際大学地域総合研究所紀要『地域総合研究』2010年2月号,掲載の「市場縮小,地域格差拡大に対応--エリアマーケティングの実務1」の論文からの転載,連載です。

Ⅱ マーケティングの適用

 現時点では優良企業であっても,物理的に国内の消費財需要が増える余地がほとんど見込めない以上,成長を持続するには海外市場の開拓を意識せざるを得ない状況にあります。とはいえ,足許の国内市場を無視することはできません。
 消費不況のもと,人口減少,少子高齢化と日本列島総縮小の様相ですが,悲観することはありません。「過去の成功体験や既存概念」,「思い込み」や「決めつけ」に陥ることなく新たな発想で市場を見れば,自ずと新たなビジネス機会が浮かび上がってきます。
 世界第1位の米国小売業ウォルマートの創業者サム・ウォルトンは,『企業が大きくなればなるほど,偉大なことを成し遂げようとすればするほど,小さな単位で考えて判断し,即座に改善行動をとることがカギだ』との教訓を残しました。

 地域特性対応のエリアマーケティングで,市場(地域)を「小さく,狭く」見て,その細やかな変化に目を凝らし,市場(地域)特性に対応したビジネスプランを組み立てていくことは,サム・ウォルトンが実践した「小さく考える」にほかなりません。
こうした観点から,日本生まれのマーケティング発想――エリアマーケティングの導入とその実務を考察します。


1 マ-ケティングが果たす役割
エリアマーケティングを考察するに当たり,その上位概念でもあるマーケティングの概念と果たすべき役割を概括します。
 マーケティングとは,営業活動(sales)や広告宣伝活動(advertising)などを包括する広範な概念です。実務的には,生産者(メーカー),流通業者(問屋・小売り業)から消費者に向けての「売れる仕組み作りと,その実行」に関する一連の活動と定義できます。
 その役割は,「市場ニーズ」を把握し,それに対応した「商品(製品)」や「サービス」の提供にあります。その結果として「顧客満足」を高め,「売上」を高め,「利益」を確保し,企業の持続的発展に寄与することにあります。当然のことながら,「マーケティング活動は社会規範にかなった」ものでなくてはなりません。
 マーケティング活動は,顧客ニーズの把握に始まります。メーカーならば「顧客の望んでいること」や「困っていること」,すなわち顧客の問題を知りその問題解決に向けて,競争相手の動きも見据えながら,商品(製品)を開発,製造し市場に送り出していくことです。小売業者や問屋といった流通業者は,「消費者の生活や顧客である事業者にとって,なくてはならない商品(製品)の品揃え」にあります。

 顧客ニーズに応えることで,顧客の支持を得て商品(製品)が売れ,その結果として利益を得て,企業に持続的な発展へとつながって行きます。ここで厄介なのが,<顧客ニーズ>は,絶えず変化しているという点と,<競争相手(ライバル>の存在です。


1-1 マーケティングの定義 マーケティングの定義に関しては諸説様々ですが,共通認識された定義の一つに,
マーケティングとは顧客ニーズを発見し,それらを満たす商品(製品)を開発するプロセス」との考え方があります。

 Marketing is the process of discovering unmet needs in the market and creating products to meet those needs. Based on this definition you can see that products are created only after a need for them has been established.
Unfortunately many companies tend to do just the opposite,creating products first ,them searching for customers to purchase them. This approach tends to lead to inconsistent results.              
         出典:『Leaning MBA Basic in English』 藤井正嗣

この考え方からすると,マーケティングは,ニーズを「創出する」ものではありません。あくまでニーズを見出し,または満たされていないニーズを満たす商品(製品)やサービスを提供することにあります。
 

 2004年,アメリカ・マーケティング協会(American Marketing Association : AMA)は,19年ぶりにマーケティングに関する定義を,次のように改訂しています。

Marketing is an organizational function and a set of processes for creating,communicating,and delivering value to customers and for managing customer relationships in ways that benefit  the organization and its stakeholders.
           「AMA Adopts New Definition of Marketing」

 「マーケティングとは,顧客に対して価値を創造し,コミュニケーションをとり,商品を提供するとい一連の活動を通じて,利害関係者(顧客,株主,債権者,従業員,経営者,取引先,行政機関)の利益となるように顧客との関係を管理していく,組織的な活動,プロセスである。」 
このアメリカ・マーケティング協会の定義は包括的で広域です。「組織とその利害関係者の利益となるように」というのは,マーケティング活動は企業だけでなく,公的機関や各種団体といった非営利組織でも必要とされるものとなっていることにあります。

 次に, 「顧客にとっての価値の創造・伝達・流通」というのは,新商品(製品)の開発,広告や販促活動,流通チャネルの形成を意味しています。なお,商品(製品)という品質や作り手の視点よりも,顧客価値という商品(製品)の使用場面を重視するようになったことから「価値」という表現となっています。
 そして,顧客価値の創造・伝達・流通とともに,「顧客との関係を管理する」ことが付加されています。なお, 「組織的な機能や一連の過程」としていることから,顧客価値の創造・伝達・流通とともに,経営管理面からの管理の必要性を想定していると思われます。

”Marketing is asocial(societal)process by which individuals and groups obtain
 what they need and want through creatlng,offering, and freely exchanging
products and services of value with others. 「Philip Kotler」

マーケティングの権威と目されるP.コトラーは,「マーケティングとは価値を創造し,提供し,他の人々と交換することを通じて,個人やグループが欲求するものを獲得する社会的,経営的過程である。」としています。

 日本では,江戸時代の初期から商人道が叫ばれ・心学者石田梅岩(1685-1744)は「実の商人は先もたち,我も立つことを思うなり」と説いています。その弟子手島堵庵(1718-1786)も「何にてもその人の物を買う心になるべし,売り人はその人を大切の得意と思い・ただためよかれと諸売り物格別に念を入れてくるなり」と説いていますが,その心は現代のマーケティングの精神に通じるモノです。

 関連ブログ

  マーケティングの理論と実務 3

  マーケティングの理論と実務 2

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