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エリアマーケティング 

地域性に対応のマーケティングを考える
北海道のスーパー業界 三極寡占化に割って入る・トライアルの出店攻勢

 北海道や九州のように,社会環境の変化が先行する地域は,本州の将来を照らし出す縮図。ここで起こったことは,いずれ本州に飛び火すると言われている。

 北海道のスーパー業界では,再編が進み,アークス、コープさっぽろ,イオンの三強でシェア70%近くを占め,寡占化がいち早く進んでいるのもその表れ。生き残りの条件は厳しいく再編は続く見通しである。

 過疎化と高齢化が進む北海道。イオン,アークスとコープさっぽろの三強に割って入ってきたのがディスカウントストアのトライアル(本社 福岡県)。同社は,昨年度だけで7店舗を出店,同社の低価格で道内の低価格競争は激化している。

 
 九州も北海道と同様に,スーパーマーケット業界では,広島のイズミを中心に再編が進んでいる。
 

  イオングループ

 北海道市場に進出して20年を迎えたイオングループの存在感が一段と増している。ダイエー、いちまるの相次ぐグループ入りで、道内売上高が3000億円に到達。これまで手薄だった函館、帯広の店舗網の補完にも成功した。道内の中核会社、総合スーパー(GMS) のイオン北海道、食品スーパー(SM)のマックスバリユ北海道の業績も好調が続き、アークス、コープさっぽろとの激しい競争の中で、地元の消費者の信頼もがっちりつかんでいる。

  アークス

 北海道のアークスの津軽海峡超えが,盛岡を地盤とするベルグループのアークス入で本格化した。2015年9月の経営統合で,ベルグループの売上高は457億円(2014年2月期)を加えて,アークスの売上高5000億円体制を確実なものにした。東北では、青森、岩手、秋田、宮城の四県の市場に進出。とくに岩手は、ベルグループと地盤が同じジョイスの合併計画も折り込まれ,単純合算でユニバースの地元青森のシェア27.5%を上回り,40.2%に跳ね上がる。

  コープさっぽろ

 コープさっぽろは,2003年から2007年にかけて,くしろ市民生協,コープ十勝などを吸収合併し,道内の生協を一本化。さらに旭友ストアーの店舗継承などを通じて,生協による民間スーパーのグループかでアークスやイオンに対抗している。


>>>九州・沖縄小売業売上高 2011年~12年度1位,2013年度2位 トライアルの躓き


 九州では,トライアルカンパニ,コスモス薬品,ミスターマックス,ダイレックス,ルミエール(三角商事)と九州地盤のディスカウントストア系企業に加え,全国展開のドンキホーテが進出し,過激な価格競争をくり広げている。

  そんな中,これまで快進撃を続けて来た「ディスカウントストアトライアル」を展開のトライアルカンパニー(本社:福岡市東区・楢木野仁司社長)が,苦戦し ている。同社の2014年3月期の売上高3070億9300万円(不動産賃貸収入などを含む)であった。九州ではドラッグストアチェーンの「スーパード ラッグコスモス」を展開するコスモス薬品 (本社:福岡市博多区、2014年5月期連結売上高3718億2500万円)に次ぐ,第2位の売上高である。

 トライアルカンパニーが当面する課題は,売り上げと利益の確保にある。売り上げが振るわないため,円安による仕入れ価格の上昇を売価に転嫁できず,当然の結果として営業利益の減少を招いた。
 2014年3月期は22店舗を新規出店したことによる販管費の増加もあって営業利益は前年対比で半減,経常利益は同約40%減となった。最終利益は特別損失などの計上もあって2億6900万円と,前年対比82.4%の減少である。 

 トライアルの,純売上高の3045億7000万円から仕入原価を差し引いた粗利益(売上総利益)は,販管費を下回り2億8400万円の赤字である。前期の租利益率は,106.47%と0.53ポイント悪化した。
 これを,家賃などの「その他営業利益」が25億2300万円で本業の損失を穴埋めし,営業利益で22億4000万円の黒字を確保している。この収益構造は,スーパーの業績低迷をショッピングセンターのテナント収入やクレジットカード事業で補うイオンの収益構造に似る。
 
  この件に関して,7月実施の取引先とのトライアル会の席上,同社の永田久男・代表取締役会長は、大幅減益の主因はドラッグストア子会社のトライウエルの分 離の影響であり、「連結売上高は3134億1700万円で経常利益が前年度並みだった」と釈明している。だが,トライアルカンパニーは連結決算の内容を公 開していないこともあって,この説明はいささか説得力を欠く。

                                 ※本稿の参考資料 「激流 2014年 12月号」 p14~P44
 
◇株式会社トライアルカンパニー  http://www.trial-net.co.jp/corporate/profile.html
       ( Trial Company ,Inc. )
・創業     昭和49年4月
・設立     昭和56年7月
・資本金     21億2335万300円
・ 事業内容     スーパーセンタートライアル(郊外型総合販売店)の経営 食品・生鮮食品・家庭用品・衣料品・家電製品の販売 「スーパーセンタートライアル」 「メガ センタートライアル」 「トライアルマート」 「ディスカウントコンビニトライアル」「ドラッグアンドフレッシュトライアル」 「バラエティストアトライ アル」 の6業態で展開コンピュータソフトの開発、流通システムの開発

・従業員数(グループ)     社員 3,686名 アソシエート 14,874名(2014年6月現在)
・本社所在地     福岡市東区多の津1-12-2 トライアルビル
・取引先銀行     みずほ銀行、りそな銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、福岡銀行、北九州銀行、日本政策投資銀行

  決算月       売上高    店舗数
2002年9月期      216     15
2003年9月期      459     25
2004年9月期      651     31
2005年3月期      421     38
2006年3月期    1,053     48
2007年3月期     1,300     58
2008年3月期     1,504     75
2009年3月期     1,711     90
2010年3月期     2,096    107
2011年3月期     2,384    131

2012年3月期     2,529      138
2013年3月期     2,784      159
2014年3月期     3,127      165

*売上高の単位は億円 * 2005年3月期は半期決算

        出典:http://www.trial-net.co.jp/corporate/profile.html



 
月刊激流 2016年 03 月号

特集 イオンリテールGMS解体的改革の全貌


■六支社の経営戦略

東北カンパニー
・少子高齢化の最前線で挑む全員参加の店作り

北関東・新潟カンパニー
・カンパニー主導のM&Aで地域密着を強力に推進

南関東カンパニー
・「なぜそうなるの」の問い掛けで都市GMSの再生に挑む

ケーススタディ  「イオンスタイル板橋前野町」
・箱型、駅前型GMSを甦らせた「イートイン」の仕掛け

東海・長野カンパニー
・店舗が自ら動き出す環境づくりを全力でやり抜く

近畿・北陸カンパニー
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中四国カンパニー
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■参考資料
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