FC2ブログ

エリアマーケティング 

地域性に対応のマーケティングを考える
 この記事は,鹿児島国際大学地域総合研究所紀要『地域総合研究』2010年2月号,掲載の「市場縮小,地域格差拡大に対応--エリアマーケティングの実務1」の論文からの転載,連載です。

Ⅱ マーケティングの適用

 現時点では優良企業であっても,物理的に国内の消費財需要が増える余地がほとんど見込めない以上,成長を持続するには海外市場の開拓を意識せざるを得ない状況にあります。とはいえ,足許の国内市場を無視することはできません。
 消費不況のもと,人口減少,少子高齢化と日本列島総縮小の様相ですが,悲観することはありません。「過去の成功体験や既存概念」,「思い込み」や「決めつけ」に陥ることなく新たな発想で市場を見れば,自ずと新たなビジネス機会が浮かび上がってきます。
 世界第1位の米国小売業ウォルマートの創業者サム・ウォルトンは,『企業が大きくなればなるほど,偉大なことを成し遂げようとすればするほど,小さな単位で考えて判断し,即座に改善行動をとることがカギだ』との教訓を残しました。

 地域特性対応のエリアマーケティングで,市場(地域)を「小さく,狭く」見て,その細やかな変化に目を凝らし,市場(地域)特性に対応したビジネスプランを組み立てていくことは,サム・ウォルトンが実践した「小さく考える」にほかなりません。
こうした観点から,日本生まれのマーケティング発想――エリアマーケティングの導入とその実務を考察します。


1 マ-ケティングが果たす役割
エリアマーケティングを考察するに当たり,その上位概念でもあるマーケティングの概念と果たすべき役割を概括します。
 マーケティングとは,営業活動(sales)や広告宣伝活動(advertising)などを包括する広範な概念です。実務的には,生産者(メーカー),流通業者(問屋・小売り業)から消費者に向けての「売れる仕組み作りと,その実行」に関する一連の活動と定義できます。
 その役割は,「市場ニーズ」を把握し,それに対応した「商品(製品)」や「サービス」の提供にあります。その結果として「顧客満足」を高め,「売上」を高め,「利益」を確保し,企業の持続的発展に寄与することにあります。当然のことながら,「マーケティング活動は社会規範にかなった」ものでなくてはなりません。
 マーケティング活動は,顧客ニーズの把握に始まります。メーカーならば「顧客の望んでいること」や「困っていること」,すなわち顧客の問題を知りその問題解決に向けて,競争相手の動きも見据えながら,商品(製品)を開発,製造し市場に送り出していくことです。小売業者や問屋といった流通業者は,「消費者の生活や顧客である事業者にとって,なくてはならない商品(製品)の品揃え」にあります。

 顧客ニーズに応えることで,顧客の支持を得て商品(製品)が売れ,その結果として利益を得て,企業に持続的な発展へとつながって行きます。ここで厄介なのが,<顧客ニーズ>は,絶えず変化しているという点と,<競争相手(ライバル>の存在です。


1-1 マーケティングの定義 マーケティングの定義に関しては諸説様々ですが,共通認識された定義の一つに,
マーケティングとは顧客ニーズを発見し,それらを満たす商品(製品)を開発するプロセス」との考え方があります。

 Marketing is the process of discovering unmet needs in the market and creating products to meet those needs. Based on this definition you can see that products are created only after a need for them has been established.
Unfortunately many companies tend to do just the opposite,creating products first ,them searching for customers to purchase them. This approach tends to lead to inconsistent results.              
         出典:『Leaning MBA Basic in English』 藤井正嗣

この考え方からすると,マーケティングは,ニーズを「創出する」ものではありません。あくまでニーズを見出し,または満たされていないニーズを満たす商品(製品)やサービスを提供することにあります。
 

 2004年,アメリカ・マーケティング協会(American Marketing Association : AMA)は,19年ぶりにマーケティングに関する定義を,次のように改訂しています。

Marketing is an organizational function and a set of processes for creating,communicating,and delivering value to customers and for managing customer relationships in ways that benefit  the organization and its stakeholders.
           「AMA Adopts New Definition of Marketing」

 「マーケティングとは,顧客に対して価値を創造し,コミュニケーションをとり,商品を提供するとい一連の活動を通じて,利害関係者(顧客,株主,債権者,従業員,経営者,取引先,行政機関)の利益となるように顧客との関係を管理していく,組織的な活動,プロセスである。」 
このアメリカ・マーケティング協会の定義は包括的で広域です。「組織とその利害関係者の利益となるように」というのは,マーケティング活動は企業だけでなく,公的機関や各種団体といった非営利組織でも必要とされるものとなっていることにあります。

 次に, 「顧客にとっての価値の創造・伝達・流通」というのは,新商品(製品)の開発,広告や販促活動,流通チャネルの形成を意味しています。なお,商品(製品)という品質や作り手の視点よりも,顧客価値という商品(製品)の使用場面を重視するようになったことから「価値」という表現となっています。
 そして,顧客価値の創造・伝達・流通とともに,「顧客との関係を管理する」ことが付加されています。なお, 「組織的な機能や一連の過程」としていることから,顧客価値の創造・伝達・流通とともに,経営管理面からの管理の必要性を想定していると思われます。

”Marketing is asocial(societal)process by which individuals and groups obtain
 what they need and want through creatlng,offering, and freely exchanging
products and services of value with others. 「Philip Kotler」

マーケティングの権威と目されるP.コトラーは,「マーケティングとは価値を創造し,提供し,他の人々と交換することを通じて,個人やグループが欲求するものを獲得する社会的,経営的過程である。」としています。

 日本では,江戸時代の初期から商人道が叫ばれ・心学者石田梅岩(1685-1744)は「実の商人は先もたち,我も立つことを思うなり」と説いています。その弟子手島堵庵(1718-1786)も「何にてもその人の物を買う心になるべし,売り人はその人を大切の得意と思い・ただためよかれと諸売り物格別に念を入れてくるなり」と説いていますが,その心は現代のマーケティングの精神に通じるモノです。

 関連ブログ

  マーケティングの理論と実務 3

  マーケティングの理論と実務 2

  マーケティングの理論と実務 1


▼関連HP

エリアマーケティング講座
   http://kobayashi.clever.mepage.jp/area/area_index.htm   

⇒ 産能大セミナー エリア担当者のためのマーケティング戦略実践


基本エリアマーケティング





楽天カードでポイントゲット


スポンサーサイト



コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://misuzukaru.blog90.fc2.com/tb.php/214-4e750a17
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック