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エリアマーケティング 

地域性に対応のマーケティングを考える

 2011年春の九州新幹線鹿児島ルート全線開業により,鹿児島から青森までが新幹線で つながる。山陽新幹線と相互乗り入れし,鹿児島中央-新大阪を,乗り換えなしで行き来で きる日が近づいてきた。

 JR九州は昨日,来年3月12日に全線開業する九州新幹線鹿児島ルートの運賃などについて、国土交通省に認可申請した。主要区間の運賃と特急料金の合計は、博多―熊本間が4990円、博多―鹿児島中央間が1万170円。山陽新幹線と直通運転する区間では、鹿児島中央―新大阪間が2万1300円、熊本―新大阪間が1万8020円。

 「さくら」(普通車指定席)の料金は広島―鹿児島中央1万7200円、広島―熊本1万2970円、東京―鹿児島中央2万9050円、東京―熊本2万5770円など。 
 

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 全線開通を喜んでばかりはいられない。「鹿児島空港の地盤沈下」「福岡へのストロー現象」 による商業の衰退,「新設ホテルラッシュによる共倒れ」「熊本発着ダイヤによる鹿児島の おいてけぼり」「肥薩オレンジ鉄道の赤字増大」などの事態が懸念される。九州新幹線 鹿児島ルート全線開業光と影を追ってみる。

九州運輸局調査 - 九州新幹線 企業4割「全通好影響」 

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 九州運輸局が6月実施の来年3月の九州新幹線鹿児島ルート全線開通について,沿線の福 岡・佐賀・熊本・鹿児島各県の企業517社が回答した「 九州新幹線鹿児島ルート全線開業に伴い予想される人・経済等の変化に関するするアンケ ート調査」によると,全通が自社に「プラスになる」と答えた企業は全体の約4割の2 07社。どちらでもない」が最多の292社,「マイナス」は15社。

 「プラス」と答えた企業は「日帰り出張がしやすくなる」「営業活動の範囲が拡大する」 と期待。一方,「営業活動は車が主体」と頻繁な利用を想定していない企業や,「運賃やダ イヤが未定で判断できない」と様子見の企業も多かったようだ。マイナス面では「福岡への 一極集中」などの懸念が聞かれた。

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 全線開通で何が変化するかの質問(複数回答)では,87社が「営業エリア」と回答。商 機が拡大するとみる企業が最も多かった。「売り上げの増減」を予測する企業が69社で続 いた。
 福岡,鹿児島地区で売り上げが増えるとの見方がある一方で,熊本,久留米地区で売り上 げが減るという意見もあった。

 全線開通に向け,何らかの対応を行ったか,行う予定の企業は32社,検討中が76社。 内容は営業エリア拡大や,情報収集活動の強化をあげている。
 新幹線で通勤する社員に,定期券代の手当を全額・一部支給する企業は全体の1割の51 社,検討中が91社,在来線分のみ支給が323社だった。
 アンケートは6月に1500社に郵送で実施。回答率は34・4%。

◆九州運輸局職員対象-九州新幹線鹿児島ルート全線開業に伴い予想される人・経済等の変化に関する調査
1.調査の概要
・調査対象:九州運輸局,福岡運輸支局,佐賀運輸支局,熊本運輸支局,鹿児島運輸支局に勤務する職員424名
・調査方法:メールによる配布と回収
・調査期間:平成22年6月14日(月)~6月30日(水)
・実施結果:有効回答数260通

・調査項目:属性 住居区分,世帯・単身・独身の別,通勤方法,通勤時間
問1 通勤ルートは変更しますか?
問2 どのように変更しますか?
問3 単身赴任の方で自宅への帰省に変化や影響を及ぼしますか?
問4 お子さんの教育環境を検討するうえで意識しますか?
問5 将来,住宅の建築・購入又は買い換えや転居などを検討するうえで意識しますか?

(1)通勤ルートは変更するか?
○回答総数258 人のうち〝変更する〟と回答した者は,2%(4 人)であった。
○また〝場合によっては変更する〟と回答した者は,5%(13 人)であった。

(2)どのように変更しますか?
○具体的な理由は次のとおり。
・通勤時間を短縮するために新幹線を利用して通勤する。
・通勤方法をJR特急から新幹線に変更する。
・通勤費用が変わらない又は手当が出るなら変えたい。
(3)単身赴任の方で自宅への帰省に変化や影響を及ぼしますか?
○回答のあった52 人のうち〝影響を及ぼす〟と回答した者は,12% (6 人)であった。
○また〝場合によっは及ぼす〟と回答した者は,19%(10 人)であった。

■主な意見
帰省回数を増やせる。(急用の時に帰りやすくなる。)
・使うかどうかは料金次第(高速バス,高速料金1000 円との兼ね合い)。
・新鳥栖での乗り換えになるが,手間の割には時間短縮が見込めない。
・現在,帰省は高速バス利用のみだが隔回利用になると思う。或いは,片道は新幹線利用か。
・早くて便利だが,運賃が高くなるのでJR で帰省する回数が減る。
・高速バス網が発達しており,魅力的な割引サービスがないと常時利用は難しい。
・家族が赴任先へ来る回数が増えそう。


◆九州新幹線で鹿児島県知事「みずほ」に不満 熊本発着を想起?

 報道によると,鹿児島県の伊藤祐一郎知事は9月3日の定例会見で,来春の九州新幹線全 線開業に合わせ,鹿児島中央-新大阪を最短の3時間47分での直通運転が検討されている 新列車「みずほ」について,「シンボル的に短い時間でつなぐ列車は必要だが,名前は好き ではない」と不満を示した。

 知事は,「みずほ」がかつて熊本-東京を結んでいた寝台特急(ブルートレイン)と名称 が同じだとし,新大阪直通の「さくら」が熊本発着になることを懸念し,地元経済界ととも にJR九州に鹿児島中央発着を要請してきた経緯もあり,熊本止まりを想起させる列車名に 「相談があったら否定しますね」などと述べた。

◆日航,10月撤退路線の自治体に通告 

 会社更生手続き中の日本航空は,10月末に広島西―鹿児島,広島西―宮崎,鹿児島―岡山,鹿児島― 高松の3路線から撤退した。

 鹿児島発着の3路線は,いずれも2008年度の利用率が50%前後と苦戦。来春には九 州新幹線博多―新八代(熊本)間が開通し,鹿児島―新大阪間の直通運転が始まるため,鹿 児島と関西・中国地方を結ぶ航空路線の利用者は一段と減るとみられていた。

 国内線の場合,1社単独で運航している路線を撤退する場合,航空会社は6カ月前までに 国交省に届け出なければならない。

◆「九州出張に活用」が1割増 新幹線全線開業で鹿児島銀行調査

 本年3月実施の鹿児島銀行の調査によると。九州新幹線が全線開業すると,鹿児島県内企 業が九州内の出張に新幹線を選ぶ割合は約1割増え,熊本,佐賀へは乗用車と新幹線の割合 が逆転する-。
 3月下旬に行った県内企業業況調査で,新幹線沿線府県への出張時の交通手段を尋ねたところ349社が回答した。現状で新幹線利用が半数を超えているのは,福岡(63%)と山口(5 3%)のみ。熊本,佐賀(いずれも42%),長崎(37%),大分(26%)へは乗用車 が56~61%を占める。
 2011年3月の全線開業後は,福岡の76%を筆頭に各県とも新幹線を選ぶ企業が増加。航空路線の撤退表明前の調査だったが,広島へは39ポイント増の75%,岡山へは3 8ポイント増の71%だった。

▼関連HP


⇒ エリアマーケティング講座
 ⇒ セミナー エリアマーケティング実践

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HP⇒ エリアマーケティング

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